2019年5月の国後島へのビザなし交流に参加した衆議院議員の丸山穂高議員が、元島民の訪問団団長に対して、「団長は戦争でこの島を取り返すことは賛成ですか、反対ですか?」と質問をしました。
「(戦争は)反対です」「戦争なんて言葉は使いたくない」と応じる団長に、なおも執拗に「戦争をしないとどうしようもなくないですか?」等と迫った様子が報道されました。
丸山議員は当時、相当に酒を飲んでいたとしていますが、ビザなし交流に参加していた記者たちが訪問団団長に取材している最中にわざわざ割り込んで、このような質問発言をおこなったとされています。
旧ソ連兵に武力で故郷を奪われ命からがら逃げてきた、あるいは強制的に島から追い出され想像を絶する厳しい環境におかれた元島民に対して「戦争」という言葉をぶつける。
戦後の領土返還運動のなかで、日ロの相互の信頼関係と四島住民と日本国民が交流しながら、平和的友好な関係の中で領土問題の解決に寄与することを目的としたビザなし交流に参加しながら、それを全て台無しにするかような発言をする。
そもそも国会議員として憲法9条1項に違反する、憲法99条に違反する、国連憲章に違反する・・・これらは、先の大戦を痛恨の教訓として恒久平和を世界に誓った日本が、戦後74年にわたって築き上げてきた国際的な信頼を損なうものです。
全国的なニュースとなり非難の声が元島民をはじめ多くの国民から上がっていますが、なおも丸山議員は「言論の自由」だと自身を擁護しています。
しかし丸山議員は、国会議員の沖北委員として衆議院から公務で派遣されている最中の発言であり、これらの言動は国民の代表たる国会議員としての資質を著しく欠いています
2019年5月18日(土) 釧路新聞 |