2019年7月15日
根室市の鳴海公園にある「平和祈念の碑」の前で、根室空襲研究会との共催で今年も、根室空襲犠牲者追悼のつどいを開催しました
空襲犠牲者のご遺族ら市民が48名参加され、空襲犠牲者を偲び、平和への思いをあらたにするつどいとなりました
昨年につづいて、宮城県から「東裕丸」に乗船していた方のご遺族がご参加されたほか、祖父が空襲で亡くなったという帰省中の若いご夫婦とそのお子さんも参加されるなど、
社会福祉協議会北村会長や本田根室市議会議長をはじめ市議会議員の方々など、例年よりも多くの方々がご参加されました
はじめに根室空襲研究会事務局長の近藤敬幸さん(ねむろ「九条の会」副代表)から、根室空襲の犠牲者名が新たに判明した経過を含めて、根室空襲の概要について解説しました
参列した根室市議会の本田議長は父親から根室空襲で避難した当時の話を聞かされてきたことに触れて、
「まちづくりの根幹は平和であること。そのために恒久平和を願い、我々もこの悲惨な実態と二度とこのようなことはあってはならないことを、次の世代に伝える役割を担っていかなければならない」とあいさつされました。
根室空襲研究会会長の細川憲了さん(ねむろ「九条の会」代表世話人)が追悼のことばとして、
「根室空襲の体験者は時を追うごとに少なくなり、根室に空襲があったことを知らない方も多数となっている。
今日の平和を享受しているのは、根室空襲犠牲者をふくめアジア諸国2000万人ともいわれる戦争犠牲者の事実をうけ、戦争をしない国、平和の国として世界に誓った結果であることをあらためて考える日。
根室はまだ戦争は終わっていない。浦河丸や東裕丸などの徴用船も海底に沈んだまま。空襲犠牲者の実数も不明のまま。たくさんの人々のふるさとである択捉、国後、色丹、歯舞諸島はいまだに不法占拠されたまま。交戦国でロシアとの平和条約も締結されていない。
私たちは正しい事実にもとづいた歴史を伝える責務を負っている。
戦争のしない国、永遠の争いのない真の平和を求める国、戦争の悲劇を再び繰り返すことの無い平和の社会の創造こそが戦争犠牲者の最大の供養」
とのべました。
仙台から参加したご遺族の方は
「戦争は私たちのような思いの子どもたちをたくさん作りだした。
平和祈念の碑に父の名前を刻んでいただいて、心のよりどころができた。
根室市民のみなさんに心から感謝したい」とのべ、
亡き父への思いを替え歌にして、参加者に披露されました。
2019年7月16日 根室新聞 |
2019年7月17日 釧路新聞 |
2019年7月17日 北海道新聞 |