2022年7月15日(金)
開会の言葉で、根室空襲研究会の近藤敬幸事務局長(ねむろ「九条の会」副代表)は、「コロナの状況もあるが、平和を大事にするため、戦争で亡くなった方々の犠牲の実態を広く後世に残すためにつどいを開催した」と述べました。また根室空襲の概要に触れながら、その時に沈没した東裕丸に乗船していた兵士等の遺体が春国岱に流れ着いたが、軍側は兵士の遺体の腕のみを切断して火葬し、残った遺体を海岸にそのまま埋めたこと。その後40年ちかく地元民が慰霊してきたが、根室市や空襲研究会も関わって、現地調査を行い、遺体の改葬を行った時の状況について説明していました。また沈没時に一緒に亡くなった軍属の方々については、軍から地元で引きと取ってほしいと言われ、地元の墓地に埋葬されていますが、「国に尽くしてきたのに、軍人と軍属で何が違うのか」と当時の地元の方々は怒りの気持ちを覚えたと言います。
根室空襲研究会の細川憲了会長(ねむろ「九条の会」代表世話人)は、追悼の辞として、「あの根室空襲は無数の爆弾と機銃の嵐で尊い命が奪われた。無差別で非戦闘員を襲う悪魔の所業であり、地獄の出来事だ。犠牲者の数は400人あまりとなっているが、今だに実数は確認されていない。また浦河丸・東裕丸など128隻の徴用船が遺体を抱えたまま沈んでいるが、軍の機密として未だに不明のままであり、鎮魂の機会すらない」と指摘。
その後の根室空襲研究会の調査活動を振り返りながら「調査を進めるほど、戦争の残虐さ、悲惨さ、狂気、非人間性、長い深い悲しみを知ることになった」として、
「あなた方の尊い犠牲を忘れることなく、遺族の方々の長い苦しみを忘れることなく、根室空襲を伝え続け、戦争の無い、戦争のしない日本、平和の日本を作ることがもっとも大切なこと」
またいま日本で戦争のできる道が開かれようとしていることを断固として阻止しなければならないとして、そのために「根室空襲の実態を通して、戦争の非常、無残を知り、武力では人々の平和は実現しないことを語り伝えなければならない」と述べました
閉会の言葉で、ねむろ「九条の会」の安達正敏世話人は、「根室空襲で犠牲者が出されたことをしっかりと受け止め、今後の平和な国づくり、平和なまちづくり、本当に人の命が大事にされる日々の暮らしが一人一人が大事にされるような世の中にしていけるよう、思想信条を超えて、みなさんと力をあわせて頑張っていきたい」と述べました
2022年7月16日 北海道新聞 |
2022年7月16日 釧路新聞 |