2025年7月16日
終戦と根室空襲から80周年の節目にあたる今年、7月11日~15日に市主催の「根室空襲80周年展」が市総合文化会館で開催されました。
12日・13日には若手の新聞記者や空襲体験者の方々による講演会も実施。
二日間で市民ら約140人が参加され、戦争と空襲の悲惨さを学ぶ大切な機会となりました。
空襲展は当時の被害状況を伝える写真や、千人針や寄せ書きなど実際に使用された品々が展示されました。
また根室空襲研究会が作成した空襲に使用された米軍機の模型、建設にあたり多くの朝鮮人労働者の犠牲を強いた牧の内飛行場に関する解説パネル、一般兵士の宿舎として建設され戦後も使用されたという日輪兵舎の模型などが展示されました。
空襲展の期間中は多くの市民らが訪れ、来場者に展示資料の解説をした根室空襲研究会の近藤敬幸事務局長は「二時間ほども見学していた方もいた」と驚いていました。
二日連続して開催された関連講演会は北海道新聞社の若手記者二人が「記者がたどる戦争」として親族の戦争体験を記事にした内容について講演を行いました。
先川ひとみ氏は「101歳の祖父から受け継いだ戦争の記憶 満州事変の真実」という題で、満州事変のきっかけとなった柳条湖事件を祖父が見聞きしたこと、その後、満州国で五族共和を理念とする建国大学で理想を体験した半面、同じ大学で学ぶ中国人が当局に摘発されていた現実に矛盾を感じていた実態を取材した内容を語りました。
先川氏は生前に祖父が良く語っていた「戦争は人を狂気にする」という言葉を紹介し、「こうした時代を生き抜いた人の言葉であり、次の世代に残していきたい」と述べていました。
梶原康生氏は「語らぬ祖父が残した『沖縄戦記』」という題で沖縄戦に出征した祖父が持ち帰ったノートを巡り取材した内容を講演しました。家族には自身の戦争体験をあまり語らなかったそうですが、複数名の体験や聞き取った内容が書き留められた「沖縄戦記」という記録をもとに梶原氏は、祖父がどの部隊に所属し、どの戦地に赴いたのか等を調査しました。
「祖父は沖縄戦の過酷で悲惨な経験を語ることが出来なかったのではないか。だからこそ『沖縄戦記』を持ち帰って後世に伝えようとしたのではないか」と述べました。「時間が経過した戦争のことを調べるのは難しいが、みなさんの身近にある記録等から家族の戦争体験を知ることが出来るかもしれない。そうしたことを考えるきっかけとしてほしい」と語りました。
空襲体験として、当時小学校三年生だった髙本政治氏は空襲から逃げた防空壕の中から見た赤く染まった空の景色を鮮明に覚えていることを語りました。
富山末子氏は根室空襲で叔母が亡くなった当時の様子について、菊池慶一氏の書籍朗読を交えて切々と語りました。
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