「憲法九条をまもる」 唯一この一点であらゆる人たちと手をつなぐために2004年6月、井上ひさし、梅原猛、大江健三郎、奥平康弘、小田実、加藤周一、澤地久枝、鶴見俊輔、三木睦子の九氏が呼びかけて生まれた「九条の会」は、それに賛同する各地、各分野の「会」が相次いで産声を上げ、現在全国で五千を超える「九条の会」が結成されたといわれています。
九氏が呼びかけた「九条の会」アピールは、「憲法制定から半世紀以上を経たいま、九条を中心に日本国憲法を『改正』しようとする動きがかつてきない規模と強さで台頭しています。その意図は、日本を、アメリカに従って『戦争をする国』に変えるところにあります。」と鋭く告発しています。
日本はアジアへの侵略戦争によって、アジアの人々二千万人、日本国民三百万人を犠牲にした先の大戦の教訓から、武力によらない国際紛争の解決をめざす「平和の国」として、この六十数年世界史の中に確固とした歩みを刻んできました。
しかし、日本政府はイラク戦争への自衛隊派遣、7月訪米した小泉首相は日米首脳会談で、日本とアメリカの「長期戦争」の出撃基地とし、ともに戦争する国への道をつきすすむことに合意するなど憲法上の拘束を蹂躙しています。これは、被爆国であり、憲法九条をもつ日本を、アメリカの先制攻撃、核兵器使用・脅迫の戦略にひきこむきわめて危険な道です。
根室においては、1945年7月14日、15日の根室空襲によって、市街地の八割を焼失し、この大戦での確定できる戦災犠牲者数だけでも三百六十七人にも及び、確定できない不明者を加えると数百人が犠牲になるという悲惨な戦争を私たちは経験しました。またこの戦争によって歯舞諸島、色丹島や国後島、択捉島などを失うとともに、戦後とりわけ二百カイリ以降、市民のくらしやまちの経済が逼迫する状況となり、いまだに「北方領土問題」解決の糸口すら見いだせない状況下におかれています。
根室市は世界有数の野鳥飛来地・風連湖周辺、オホーツク文化などの現存する埋蔵文化数は、全道一、二といわれており「貴重な自然と歴史」を有する誇るべき故郷です。私たちのまちにとって、この優れた自然や歴史と文化の保護、その遺産を後世へ継承するためにも、なによりも平和が大切だと考えています。
私たちは安心で安全なまちで、いのちとくらしがまもられることを切望し、いつまでも平和に生き続けられる故郷をつくるためにも、世界に誇ることのできる憲法九条をしっかり護ることをここに決意します。そのため根室市民の皆さんのねむろ「九条の会」への積極的な参加を心から呼びかけます。
2006年8月12日
呼びかけ人 北構保男 安達正敏 伊藤久美子 今井良雄 内山隆三 桐沢亨 近藤敬幸 佐藤巧 高田勝 田辺利男 谷藤栄子 成田猛 浜屋勝吉 半田一延 細川憲了 馬緤博正 三浦総造 森紫朗 山本純郎 (順不同)
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