2022年8月27日土曜日

「安倍元首相の国葬に反対する声明」を公表しました

2022年8月26日

ねむろ「九条の会」は『安倍元首相の国葬に反対する声明』を公表しました

安倍元首相の国葬に反対する声明

 2022年7月8日安倍晋三元総理大臣が、参議院選挙の街頭演説中に狙撃され死亡した。ねむろ「九条の会」はこのような街頭演説中に銃器によって狙撃し、人の命を奪うことは民主主義を根本的に破壊する許されざる行為として断固抗議する。
 同時に、岸田内閣が9月27日に安倍元首相の「国葬」を決定したことは日本国憲法の思想、信条の自由をはじめとする国民主権、政教分離、法の下での平等などの日本国憲法が定める民主主義に重大な懸念があり、「国葬」に強く反対する。
 今や「国葬」に反対する国民世論は過半数を大きく超えており、法的にも重大な問題のある「国葬」を執り行う閣議決定の意味が根本から問われている。戦前の明治憲法下で天皇の勅令によって行われた国葬は、現憲法の下で失効しており、ましてやその経費を全額国費で支出することは全く法的な根拠が存在しない。
安倍元首相の「政治的評価」は国民の中で大きく分かれており、プーチンロシア大統領との領土交渉によって「島の返還」はいっそう遠のき、さらに異次元の金融緩和策などはウクライナ問題とも相まって国民生活をいっそう苦しいものしている。加えて、森友学園、加計学園、桜を見る会などの国政の私物化、公文書改竄、隠蔽等々の疑惑が全く解明されていない。今回の事件をきっかけに自民党と反社会団体元統一教会の根深い関係がいっそう明らかになったが、その中心にいた人物が安倍元首相であることも日々明らかにされつつある。
 ウクライナ問題で「軍事対軍事」の安保政策、外交政策が岸田内閣の下で進行しつつあり、来年度予算の軍事費は概算要求で6兆円半ばを超えるとの報道もされている。毎年毎年国民の生活に直結する子育て、教育、医療、介護等々の予算を削減しながら、一方で軍事費を増大し続けてきたのは安倍元首相が進めてきた政治であった。
 私たちの住む根室は1945年7月14日と15日、米軍機の空襲により町の7割8割を焼き尽くされ、400名を超える尊い人命が犠牲になったまちである。このことから、二度と戦争を起こさない決意でねむろ「九条の会」は結成された。安倍元首相は圧倒的国民の戦争反対の世論に挑戦し「戦争法」を強行、「憲法9条改悪」を推進しようとしてきた中心人物であり、「国葬」は日本国憲法の「憲法三原則」と全く相容れることのできないものである。
 ねむろ「九条の会」は戦争放棄という人類の理想を高々と掲げる日本国憲法の理念を受け継ぎ憲法九条を守り、その精神を活かした社会の実現のため安倍元首相の「国葬」に断固反対の意思をここに表明する。

2022年8月26日  ねむろ「九条の会」代表世話人 細川 憲了

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2022年8月27日 北海道新聞

2022年8月27日 釧路新聞(根室版)